ちょっと長い座右の銘

仕事をする上で肝に銘じていることです。院時代の先生が,法学教室で言っていたことです。

道垣内 歴史上、世の中を変えた法律家はいないので、たかが法学と突き放すぐらいで良いと思います。世の中を変えているのは、哲学・政治・経済・科学技術ですね。せいぜい、そのような哲学者たちを邪魔しない法律家になってほしいです。法律というのは、どちらかというと社会の変化を邪魔しがちですからね。規制をすることにより、正常な発展が阻害される例はあまたあります。もちろん、あまり無茶なことが起きると困るので、『ここから先は駄目』という遠巻きの規制は必要ですが、必要以上の規制にならないように、自由度の高い社会にするという心懸けが必要でしょう。
 では、法律学は人生を賭ける価値がないものかというと、そんなことはありません。社会にとって不可欠な存在であり、その操作に熟達している人はいつの社会でも必要な存在です。たかが法学、されど法学です。
法学教室2011年4月号(№367)より