山口晃「前に下がる 下を仰ぐ」展

母と妹と水戸芸術館で開かれていた山口晃さんの展覧会に行ってきました。

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山口晃さんといえば,緻密な絵で,過去と現在が一緒にいる不思議な雰囲気の絵を書く画家さんという印象。

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この本では,本郷や東大がたくさん書かれていますが,今の東大の建物の中に昔のカッコをした学生さんがいたり,赤門に雷門の提灯みたいなものがぶら下がっていたり,とても面白い。 K教授室を書いた絵が大好き。 展覧会に行くのは初めてです。 入るとすぐに不思議に区切られた道をずーっと進んで,奥のスペースまで。 途中,電信柱のオブジェがあった。撮影OKでしたのでパチリ。

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奥の部屋から,じっくり見られます。 現在の絵を見ていたな~と思うと,過去の時代に入っていたり, 上半分は馬だけど下半分はバイクの乗り物がある昔の時代(だけど現代の家もあったり)の大きな絵があったり,男性が病院で診断を受け始めたところから始まって,最後はなくなって野ざらしになっていたり。ストーリー性がすごくあるのだけれど,残念な自分はなんでこの結末になったの?!って理解しきれなかったりするのですが,でも絵に引き込まれる。1枚の絵の中で話を追っていくのは鳥獣戯画みたいです。 大型のショッピングモールを書いた絵は,ショッピングモールの中を見ていたつもりが,外の世界になっていて,気が付かないうちに昔の世界に踏み込んでいたりで,とっても面白かった。 紙ツイッターとか,日々のメモとか,練習とかも公開されていて,みんなじっくり足を止めてみるので,とても混雑していました。 Foolって名付けられた作品は,ネタバレしてはいけないのであれですけど,気がついたら苦笑いしました。 そんな感じで,ゆっくりゆっくり見ていったけれど,中でもとりわけ面白かったのが「続・無残ノ介」。 ストーリーを追いながら絵を見ていくのですが,日本画みたいなコマがあったり(コマといっても大きな1枚の絵),半紙に細かくマンガのようにコマを区切って書かれていたり,奇想天外な感じがめちゃくちゃおもしろかった。ストーリーも凄く笑いました。 最後のどこでもドアをくぐって,鑑賞はおしまい。 1日に何回も入り直せますのでって,入る時に案内の人に言われたのだけれど,なるほど何回も入って見直す人も多いんだろうな~と思いました。それくらい見応えがあった。 展覧会に出されていた画集も飛ぶように売れていて,結構欲しかったのだけれど,やはり原画のほうが迫力があって楽しかったので,本は今回はやめておきました。でももしかしたら,あとでアマゾンでポチるかもしれない。

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そんな感じで,非常に楽しめた展覧会でした。 また近くで展覧会があるときは,行きたいです。妹もだいぶ魅了されたみたいでした。