読書「生活保護リアル」

 

生活保護リアル

生活保護リアル

 

 

Twitterで紹介されていて気になった本。読了。

生活保護がらみの話はとても難しくて,なんといっていいかわからずだけど…事例として紹介されていたケースについてはなかなか共感は難しかった。

楽しいことを我慢しろとは全然思わないけれども,コンサート等に行くことを手放しでOKと言えるかと言われたら,ちょっと複雑かな。バブル時代に儲かるからアルバイト・派遣という形態をずっと続けてきて,リーマンショック以降仕事がなくなって,ハロワにいっても正社員の経歴がないから正社員になれない…みたいな話を聞かされても,さすがにその見通しの甘さは自分のせいでは…と思ってしまう。もちろんこの本に登場する人は不正受給とは程遠く真摯にその生活を脱却をめざしている人たちで,そういう話を率直にしてくれるというのは素晴らしいことには間違いないというのが前提だけど。

共感できないというか,ちょっとその経緯に疑問をもつ点もあるけれども,自分では行き方を選ぶことが出来ない生活保護家庭の子供たちを助ける話などはとても共感できたし,そういう活動には公的な支援をどんどんつぎ込んでもらいたいと思う。

最低生活費に関する言及についても,ストックを前提としてのフローとストックがないフローではぜんぜん違うことはなるほどと思った。

収入の金額に関しては「貧困」でないとしても,時間に関して「貧困」ではないか。「健康で文化的な最低限の生活」は,生活保護当事者だけでなく,すべての人に必要なのだが,このことは,しばしば忘れられてしまっている。

この言葉が本当にそうで,支える側にも時間的にも経済的にもゆとりがないので,バッシングが起こってしまうのだとは思う。