読書「なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」

 

 読了。著者はHONDAで,渉外業務において税制・通商など国内外の自動車産業に関わるルールづくりに参画した人らしい。

組織内のルールづくりに携わることになり読んでみたけれど,組織内ではなくもっと広いところでのルール作りだったので,目的とは少し違った。

・欧米列強にとってはルール作りも闘いに含まれている。
・私達日本人はそうした闘い方をずるいと考える。
・当座は,ルールを作った側が闘いを有利に展開できる。

ルール変更のその後を検証するという章はなかなかおもしろかった。

欧州の根底には,「喧嘩をしすぎて全体を壊してしまってはどうにもならない」という考えが流れている。

どうでもいいですが文中で使われている「気づき」という単語は嫌いです。「気づきを得る」とか「学びを得る」ってなんで使うのか。気づく,学ぶで良くないですか?

勝ちすぎてしまうと消費者の選択の自由を奪い,結果として社会を豊かにしない。

 EUが独自に作ったルールをてこに,欧州企業の競争力を高めようとするのが欧州のビジネス戦略。

世界のルールが統一化されつつあると…制約を糧に成長してきた日本人,世界中のルールに素早く対応することを強みとしてきた日本人にとって,強みを喪失することになる。苦手だったルールメイキングに参画しなければならない時代が到来。

ルールを作りたいなら,財界や業界団体の関連委員会に積極的に参加してみる。

ルールの理解と遵守度の点検は社益を念頭に,ビジネスチャンスの模索も社益を念頭に,ルール作りに参画するときは公益を念頭に。

 なかなかおもしろかった。