コンプラ違反倒産

去年からちょこちょこ新聞ではあげられていたけれど、コンプラ違反倒産が過去最多らしいです。 

帝国データバンク調査結果

 特に②の循環取引なんかは、上場している場合は、金商法違反であげられるんですよねーすごく大変なことなんですよー。と、聞く人もいないけれど言ってみます。 

コンプラコンプラと声高に叫んで、がちがちに統制をきかせるやり方は、あまり好きではありません。やはりメインプレイヤーは第一線にいる営業さんなり開発者さんなりだと思うので。コンプラコンプラ言って、営業活動、開発活動が萎縮して、滞ってしまったら本末転倒ですし。法務担当者に対してネガティブな印象をもたれちゃうと、重要で早めに相談してもらいたい案件も相談されなくなってしまうし。

とはいえ、超えてはいけない一線を見つけたら、殴られるのを覚悟でとめに行くのも法務部の仕事なんだろうなあと思ったのでメモ。 

院時代の先生が、非常にいいことをおっしゃっていて、それが自分の座右の銘です。

 「道垣内 歴史上、世の中を変えた法律家はいないので、たかが法学と突き放すぐらいで良いと思います。世の中を変えているのは、哲学・政治・経済・科学技術ですね。せいぜい、そのような哲学者たちを邪魔しない法律家になってほしいです。法律というのは、どちらかというと社会の変化を邪魔しがちですからね。規制をすることにより、正常な発展が阻害される例はあまたあります。もちろん、あまり無茶なことが起きると困るので、『ここから先は駄目』という遠巻きの規制は必要ですが、必要以上の規制にならないように、自由度の高い社会にするという心懸けが必要でしょう。

 では、法律学は人生を賭ける価値がないものかというと、そんなことはありません。社会にとって不可欠な存在であり、その操作に熟達している人はいつの社会でも必要な存在です。たかが法学、されど法学です。」

法学教室2011年4月号(№367)より

今の職場では先生の言葉を今まで以上に心がけて仕事をしているつもりです。まだまだ勉強中であり、修行中なので、「操作に熟達している人」への道のりは長いですが。