棋譜の著作権?

著作権のことでいろいろ調査をしています。そうしたところ、先日の熱い電王戦が著作権に絡んだ記事を発見。

 将棋電王戦と「機械的失業」と棋譜の著作権 

棋譜が非公開ならば簡単だ。見なければ、誰も分析できない。しかし現実には棋戦の模様は広く公開されるのが魅力で、見せなければファンが離れる。すると、公開された情報を他人に使わせない法的な手段はほぼひとつしかない。著作権などの知的財産権だ。

棋譜がもし著作物ならば、他人に「勝手にコピーするな=解析するな」と一応言える。では棋譜著作物なのか。かつて将棋連盟が棋戦再現動画の削除要請などをして論争になった件だが(http://yro.slashdot.jp/story/12/03/02/0218209/、おそらく著作物というのは難しいのだろう。

筆者の知る限り、プロの棋譜は基本的には「最も勝てる一手」を双方が追求した結果の産物であり、「無駄・遊び」を本質とする創作的表現とは言いづらい。と以前コメントしたら、将棋担当の記者の方から、「いや、多くの棋士は美学を同時に追求するのです」と言われたことがある。なるほど、「投了タイミングの美しさ」などはよく耳にする言葉だが、それだけではまだ足りない。勝負の美学はどんなスポーツにもあるが、スポーツは通常著作物ではないのだ。

3月のライオン(特に島田さんが良い)ファンとしては、何らかの形で保護してほしいなあと思うものですが・・・ 

ところで、この「福井弁護士のネット著作権ここがポイント」はめちゃくちゃ面白いです。時事問題をすぐに著作権法に絡めて解説してくれるので、更新をいつも楽しみにしています。