読書「文通」

10年以上前によんだ本を久々に読み返した。

「文通」という行為を中心に話が進んでいく。話自体は怖くない。いや、自分の名前と住所を雑誌に投稿して文通相手を募集するとか、ありえないっしょ。その行為がホラーすぎる。っていった感じ。

ネタバレなので注意ですが、複数の人と文通をしていたはずが、実は一人の人と文通していたというのが結論です。筆跡も自在に変えられて、言葉遣いもたくみにかえて、っていうのを相手がやっていたという話。

本でよむ分にはぜーんぜん怖くない。ホラー文庫といえばあの「リング」とかがラインナップにある文庫ですから、それに比べたらパンチがぜんぜん足りない。

でも、ほんとに怖くないかっていったらそうじゃない。

これは「文通」という昭和の遺物みたいな行為だから、リアリティがないだけで、ネット上の成りすましに置き換えたらこれ、充分怖いんじゃないだろか。

今回久々にこの本を手に取ったのは、あるところで、あなたはあの人?ってふと思ったことがあったから。

感じたもやっと感はこの「文通」の中のと同じだった。

リアルで味わってみて結構不気味だなって思ったので、これはやはり結構怖い本なのだなと思った。