読書「娘役」「男役」

Twitterで紹介されていた本。宝塚に関する知識はほぼない状態で読みました。「娘役」「男役」の順。

娘役

娘役

 

 「娘役」は,ヤクザの主人公と彼が見守る宝塚の娘役の話。自分の中に凶暴な毒虫を飼っている主人公が,とあるきっかけで宝塚を知り,その世界に魅了されて,自分も変わっていく…というお話。本当にこういう組があるのかわからないけれど,大鰐組やその流れを汲む組はいいなあと思った。大鰐組自体ファンタジーとして書かれているのかもしれないけれど。

最後は,なんとなく予想はされていたけれど,そのシーンになってやはりびっくりした。 

男役

男役

 

 「男役」は,現実世界の「娘役」と打って変わって,ほぼ最初の辺りから「ファントムさん」という幽霊が登場する,本物の?ファンタジー。事故で亡くなった偉大な男役,その相手の娘役の孫(主人公),その孫が敬愛する偉大な男役の先輩がメインとなる話。ファントムさんと主人公の祖母が再会して出て行くシーンはとても綺麗で,映画になりそうと思った。先輩の宝塚の引退にあたっての悲壮感がものすごく,現実の宝塚の人々もこういう思いをしているのだとしたらとおもったら,とてもつらいと思った。本当に自分の大好きな職業に就いてしまったら,こういうことってあるのかもしれない。もし,これらの作品に続編が出るのであれば,是非先輩の引退した後の幸せな描写もほしい。

2作を通じて出てくるのは,花瀬レオという男役のキャラクターだった。この2作,近々映画化されるかも,とおもった。

あと,読む順は「男役」→「娘役」がいいかもしれない。出版日もその順になっているみたいです。